5-2 明かりのコントロール
- バイオクライマティックデザインによる住宅設計のパターン・ランゲージ
- 2021年11月11日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年1月10日
Controlling of Light
照明により明かりをコントロールします。

*小説家 谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』の中でこう言っています。「美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、暗い部屋に住むことを餘儀なくされたわれわれの先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。」谷崎潤一郎(2013)『陰翳礼讃 改版』中央公論社
*LED電球や蛍光灯には、明かりの光色を「白っぽい光」から「オレンジっぽい光」であることを示した「昼光色」、「昼白色」、「白色」、「温白色」、「電球色」の5項目の表記があります。これは、晴れた一日の「真昼・朝・その間の日中・夕方のはじまり・夕焼けどき」の太陽光を再現したと考えられます。
住宅の照明計画をしています。
▼その状況において
光の光色がもたらす心理的効果、明かりの照らし方、照らす範囲を十分に理解して照明計画を行わないと、人を不快にし、明るさの不均衡なアンバランスな部屋になり、健康で快適な住空間が実現しません。
なぜなら
・光色による心理効果を十分に理解して、照明計画を行わないと、場所ごとの用途とほしい雰囲気に合わせることができず、快適な住宅は実現しません。
・明かりの照らし方、照らす範囲を十分に考慮して照明計画を行わないと、眠気を誘い、勉強や在宅勤務での効率を下げるような空間になることがあり、不適切な照明計画になります。
・光源となる電球などから直接光を当てる直接照明と、いったん光を何かに反射させて拡散させる間接照明を、適切に計画をしないと、部屋の用途に合った雰囲気の部屋にならずに、人を心地よくする部屋になりません。
▼そこで
光の光色がもたらす心理的効果、明かりの照らし方、照らす範囲を十分に理解して、シミュレーションなどを行い、明かりを上手にコントロールして、健康で快適な住空間が実現する照明計画を行います。
例えば
・白っぽい光色は、覚醒や緊張感を呼び起こし、涼しさや寒々しさを感じさせ、オレンジっぽい光色は、気持ちをリラックスさせ、温かさや安心、懐かしさを感じさせるなどの、光色がもたらす心理的効果を上手に計画します。
・光は強いほど覚醒、弱いほど眠気を誘い、強すぎる光はストレスを増加させるので、光色にかかわらず注意が向きやすくなる効果があるスポットライトやシェードランプなどの照明器具も検討します。
・隣室からこぼれるあかりも間接照明であり、背の高い家具や梁(はり)の上に小さなランプを設置するなど、雰囲気のある間接照明も効果的に計画します。
▼その結果
・光色がもたらす心理的効果を上手に計画することにより、リラックスしたり、快適に仕事をしたりでき、人の生活の時間が上質なものになります。
・のんびりしたいときはリラックスさせてくれるオレンジの照明、仕事をするときはシャキッと明るい光、晩酌のときは落ち着いた雰囲気になど、生活に合わせて明かりをコントロールすることにより、暮らしはより心地よくなります。
・自然光の活用とともに、適切な照明計画により明かりをコントロールすることにより、楽しく、心地よい暮らしが実現し、それは省エネルギーにもつながります。
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